僕は、もうここから一歩も動けない。
周りの人は、そんな僕にも構わずどんどん先へ行ってしまう。
(まって!まってくれ!)
僕の心の叫びなんか、誰にも聞こえない。
誰もわかってくれない。
僕の、ことなんか・・・。
思えば、昔からそうだった。
小学校の頃、中学校の頃、そして高校の頃。
皆が解ける問題が、僕にだけ理解できなかったり。
感想文なんかも、何を書いてよいかわからず、放課後居残りして書いたこともあった。
給食だって、食べるのが遅い僕は昼休みの時間も食べ続け、
友達と遊んだ経験なんてほとんどなかった。
もう一生ここから進めないのか。
進むことは愚か、戻ることすら僕には許されない。
「ノロマのカメ」
よく、そう呼ばれたっけ。
でも僕は、カメは好きだった。
何にも動じず、わが道を行くカメに、僕は好意を抱いていた。
・・・しかし進むことも戻ることも出来なくなった今、僕はカメですらない。
僕には、もう未来はないのだろうか。
誰も手を差し伸べてくれない。
叫びたくても、伝えたくても声が出ない。
なんと言えばよいのかさっぱりわからない。
この悲しみは、いつまで続くのだろう・・・。
勇気を出して、声を出してみた。
それはほんのかすかな声にしかならなかった。
もしかしたら音としてしか聞こえなかったかもしれない。
そう思った瞬間――。
僕は、救われた。
僕に答えてくれた人がいた。
僕は、ひとりじゃない・・・!
「ここから動けないんだ。アロンアルファ踏んじゃって・・。」
「靴脱ぎなよ。」